金山の歴史を訪ねて高知県より
- rikutakakensekkei
- 2024年11月2日
- 読了時間: 1分

高知県から日本の金山を含めた鉱山の歴史を訪ねて旅を重ねる途中、ここ陸奥(みちのく)の玉山金山へ足を踏み入れた。
奈良時代、奈良の大仏建立の際、ここ玉山金山で採れた砂金も使われたのではないか。また、平安時代、平泉中尊寺金色堂のあの金もここ玉山金山で採れた砂金がより多くに使われたとも言われている。
玉山金山は四億五千万年前の地殻変動とともに氷上花崗岩が形成されその縁(へり)に位置する。地下深くで花崗岩の割れ目に超高圧の熱水が走り、それがゆっくり冷やされて水晶を伴(とも)なう石英脈が形成される。その中に金も吸い寄されるように付着するという。
永い地球の歴史の中、いつしか花崗岩が風化し露頭として表れ砂金となって沢に流れ出したことはゆうに説明がつく。
玉山金山は、日本で最古の金山といっても過言ではないように思う。飛鳥時代、日本に仏教がとりいれられその仏像に金が鍍金される。飢饉や疫病に倒れ、戦(いくさ)に疲れ切った民を一筋の金の輝きをもって生きる希望を与えたのではないだろうか。
栄枯盛衰を重ねた玉山金山を訪れた旅人は、現代の玉山金山をどのようにとられたのだろうか。
なんの変哲もない山奥にこのような金山の歴史があったことを・・・。

Comments